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pipal 渋谷宇田川 スタッフブログ

2018-11-12-Mon

2018.11.15.thu.ボジョレーヌーヴォー解禁

今年もヌーヴォーの季節がやってまいりました。
夏場の天気がかなり良かった様で、葡萄の熟度が高そうです。
pipalでは今年も信頼できる、素晴らしい生産者さんのワインをご用意。
やっぱり、ワクワクしますね。


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2018-05-26-Sat

ロゼワイン グラス

だんだん夏の気配がしてきましたね。
こんな季節はロゼワインも飲みたくなりませんか?

グラスワインにロゼも入れました。
食事とも相性いいですよ。
しばらくはグラスワインを、
泡1種、白4種、ロゼ1種、赤3種の
9種類をご用意してお待ちしております。
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2018-04-20-Fri

マルク・テンペ来店

アルザスのビオディナミの巨人、『マルク・テンペ』さんがpipalに来てくれました。
去年、僕がアルザスに訪ねて行ってからほぼ一年ぶりの再会。嬉しいです。
ワインの話などを色々とさせてもらった後、pipalチームと一緒に記念撮影を。


それから、壁にサインもしていただきました。


なかなか慣れてる、マルク。


amitiés=友情。そして日付と僕の名前も入れてくれて。


マルク・テンペ、ありがとうございました。次回はまたフランスで!


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2018-02-05-Mon

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。vol.14

9日目、旅も終盤。
早朝トゥールを出発して、ボルドーに向かう。
車窓を眺めつつTGVの食堂車でブランチ。

ボルドー駅から、急いでホテルへチェックインしてタクシーに乗り、
最後のアポイントである『シャトー  ファルファ』の元へ。
高速道路を降り、丘へ登り、美しい緑の中、石造りの門構えが見えて来ました。


『シャトー  ファルファ』


立派な門構え。


あぁ、シャトーだ。

当主ヴェロニク女史が出迎えてくれました。
一通りご挨拶をしたあと。


「畑を見に行きましょうか。」と案内していただく事に。


女性の当主だからか、シャトーの周りは緑と花に囲まれてとても美しい。


そして驚いたのが、畑に向かう途中、まず入ったのは竹林でした。
フランス、ボルドーで竹林を目にするとは思っていなかった。


それから森を抜け、


美しい畑へ。

マダムは優しい口調で話してくれます。
「葡萄畑はビオディナミ、もちろん自然な栽培です。
そして、畑の側には葡萄を護る森があり、森の脇にはその森を護る竹林がある、竹林はとても強いんです。
その広いエリアは一つの自然環境を形成していて、その中にはあらゆる生き物(動物も微生物も)が生きている。葡萄を病気から護ってくれる優しい風がそこを抜けてくれる。
その美しい自然環境の中、葡萄を栽培する事はただ自然に耳を傾けて、しっかりと見守る事なんです。
多くの人々は自然を怖れて抗い、コントロールしたがる。でも、怖れる必要なんか無い。
寄り添えばいい。
その年によって気候は違うし色々なことは起きるしワインにも勿論違いが現れます。それは当たり前だし個性です。それが楽しいし、それこそがテロワール。抗ってケミカルな物に頼ったりして同じ様なワインを造る事なんて不自然だし、そんな事に意味は無い。」
と。
「ただ、自然と一緒に。」
印象に残る言葉。
穏やかだけど、とても芯の強さを感じました。自然の事を信じているし、自身の事も信じられる方なんだと思います。それはとても美しい事だと思う。


それから、醸造も見させて頂く事に。華美では無いけれども、クリーンで品の良い室内。コンクリートタンクが並びます。


垂直式プレス。


熟成中のワインたち。
彼女の好みとして、葡萄果実の味わいを重んじるので強い樽香には頼らない造り。抽出も強すぎず、タニックにストロングになってしまう前にプレスしてエレガンスを大切にする醸造。彼女の人柄を表している様です。
「主人が生きていた頃はよく言い合いになったわ、彼はストロングスタイルのボルドーが好きで私はエレガントなワインが好きで。」
マダムは思い出す様に、微笑む様に話してくれます。


プレス機の脇に一つだけ小さな樽がありました。
「こっそり白ワインも造っているの。家族の分だけね。」
家族を大切にしているヴェロニクさん、2人の娘さんもソムリエとワイン醸造とそれぞれワインの仕事をしているそうです。


それからテイスティングルームへ。
やはり品の良い室内。なんだか落ち着きます。


ずらりと順番にテイスティング。同じキュヴェのヴィンテージ違いも頂いてそれぞれのテロワールの話もしてくれました。
「テロワールが味わいに出ているでしょう、でもそれは良い悪いではなくて個性なの。どちらが好きですか?」
「どちらも好きです。それぞれに良いところがあるし、それぞれに合わせられる料理があると思います。」
本当にどれも素晴らしい。マダムの言う事が良くわかります。
特にボルドーでは、このヴィンテージは良いとか悪いとかそういう話もありますが、このワイン達に優劣はつけられない。それぞれに個性があるだけで、どれも素晴らしい。そして自然からの恵みなんだと実感しました。


そして、写真撮影を。
マダムの優しい笑顔が素敵です。


帰りにはなんとお土産にと [シャトーファルファ1995]を頂いてしまいました。
「そんな貴重な古酒いただけないですよ、もう日本には無いんじゃないですか?」
「多分もうここにしかないわ。今日は楽しかったから。」
なんて素敵なギフトでしょう。


シャトーのまわりには沢山の花が咲いていて、
中でもヴァイオレットのバラが印象的でした、マダムが
「香ってみて下さい。素晴らしいワインの様な香りがするでしょう。」
と、一緒に香りをとって笑顔に慣れたのが嬉しかったです。
最後まで上品で親切で美しい、素敵なマダムでした。


『シャトー  ファルファ』
ワインだけでなく、シャトーも、当主の人柄も、本当にエレガントです。
ありがとうございました、ヴェロニクさん。

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2017-12-10-Sun

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。vol.13

アルザスからTGVでパリを経由し、ロワールへ移動。
トゥールに一泊して8日目、朝からサンセールへ移動。
トゥールからサンセールは思ったよりメチャクチャ遠かった。


世界的に有名なソーヴィニョンブランの産地、サンセール。
さすがの葡萄畑だらけの景観。気持ちいいです。


そして到着、サンセールの天才異端児『セバスチャン リフォー』。


気さくなセバスチャン、とっても話しやすいお人柄。左がセバスチャンです。


彼のジープで畑を案内してもらう事に。
区画によっては急斜面過ぎて怖くなるくらい、耕す馬も大変だそう。


彼の代表的なワインがその名も「アクメニネ=石だらけ」
畑には、もう本当に石がゴロゴロと。


こんなに大きな石も。


説明を受けながら畑を案内してもらい、近いエリアでも区画ごとにまるで違うテロワールだという事がわかりました。
火打石がゴロゴロしている区画や、石灰が本当に固まりで転がっている区画、粘土質な区画などパッと見てわかるくらいに土壌が違います。
後にセラーに戻ってテイスティングすると、その違いは如実に味わいに現れています。面白い。


こちらはプレパラシオンが土に入れてこんもりと保存してあります。
日焼けを防ぐために脇にかぼちゃが植えてあり、蔦と葉が天然の日傘になっていました。カワイイ。


セラーで大樽からテイスティングをさせてくれます。ウマい。

セバスチャンリフォーの造るワインはサンセールでも異端です。
周りの生産者よりも2週間程も遅い収穫をします。葡萄が完全に熟して旨みたっぷりになるのを待つのです。そしてサンセールでは多くの醸造家が使用する培養酵母も使わずに自生の畑にいる酵母菌で発酵させます。ゆっくりと発酵させ熟成も1年間ゆっくりと待ちます。SO2は使用しません。
その結果、彼のワインは他のサンセールのワインとは見た目から違うオレンジ色。サンセールらしい香りがありつつも、蜜の様な甘い果実の香りも感じられます。味わいも葡萄の熟成度が高いので、深く旨みたっぷりです。
葡萄の力を信じて、最大限まで美味しさを引き出す特別なサンセール。


あ、これは新井順子さんの樽ですね。

一通り案内していただいた後、ボトルが沢山保管してあるセラーに入ると、
セバスチャン「好きなの2本選んで、ランチしながら飲もう。」って、
え〜って、そんな、中には貴重なオールドヴィンテージのワインもあるのに、恐縮過ぎて選べる訳ないです〜。
結局セバスチャンに選んでもらって庭へ行きランチパーティーに。


ヘルシーでナチュラルなご馳走を沢山頂いて、


セバスチャンお手製の旬のチェリーを使ったデザートまで。
家族で運営するドメーヌなのでとってもアットホームで温かい雰囲気です。


最後にみんなで記念撮影を。セバスチャンの子供がカワイイ。お腹出ちゃったゴメンね。


帰りにはサイン入り、アクメニネのマグナムボトルまで頂いてしまいました!
ボトルは帰国して、飲んだ後でお店に飾ります。

至れり尽くせりの素晴らしい体験をさせていただきました。
ユーモアたっぷりのセバスチャンとの時間は本当に楽しかった。
色々な話が出来ました。くだらない話から「ナチュラルであるという事」についてとか。刺激もたくさんいただきました、僕ももっと進まなくてはいけない。

『セバスチャンリフォー』本当にありがとうございました。

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2017-11-13-Mon

Beaujolais Nouveau 2017

11月16日木曜日、ボジョレーヌーヴォー解禁です。

2015年以上の葡萄の出来栄えだと生産者さんからの声も頂いております。

pipalでは今年も信頼できるナチュールの生産者の4アイテムをご用意。

2017のテロワールと比類なきヴァンナチュールの生産者の造りをお楽しみください!


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2017-10-22-Sun

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。vol.12

さて、マルクテンペに別れを告げて、アンメルシュヴィール村、
『クリスチャン ビネール』の元へ!

クリスチャンビネールの造るワインは独特で、
その華やかな香りは「ビネール香」なんて呼ばれるくらい特徴的です。
僕がワインを扱い始めた頃、フレヴァードティーみたいだと感動して虜になったのを今でも覚えています。
近年、醸造所を新しく移ってからは当時の香りとはまた変わってきて、
エレガントさに磨きがかかり、厚みがあり華やかで、アートな雰囲気まで感じさせます。
そんな進化を続けるクリスチャンビネール、新しい醸造所は建物自体も美術館の様な出で立ちで、到着からワクワク、、なのに、。


写真がこれ一枚しかありません!  ガーン。

この日は既にドメーヌ訪問三軒目な上にジュリアンメイエーでもマルクテンペでも、たっぷりワインをいただいてしまっていて、写真を撮ることも忘れてヘラヘラ楽しんでしまいました。すいませ〜ん。

ちなみに上の写真はプレパラシオン※1 を調合して調合液を造る樽です。
(何故に唯一の写真がこんなにマニアックな物なのか。)


せっかくなので、翌日に空いた時間で観光したストラスブールの写真をご覧ください(笑)。


街並みがいいですね〜。


ストラスブールといえば運河と木組みの家々のこの風景ですね。


スーパーの野菜売り場だって楽しいです。


野菜を見てるとテンションが上がりますね。


散歩も気持ち良いです。


ストラスブール駅だけはやけにモダンな作りで、そのギャップもなかなかカッコイイです。

そんなわけで、『クリスチャン ビネール』
クリーンでクレバーでアートな造りのワインが素晴らしかったです。
ありがとうございました!


※1プレパラシオン:ビオディナミで栽培する際に畑に散布する調合剤。「牛の角に詰めた牛糞」とか「牛の角に詰めた水晶」とか様々なものがありますが、主に畑にエネルギーを与えるために使用します。
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2017-10-15-Sun

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。vol.11

さて、ジュリアンメイエーにぶっ飛ばされたあとは、
さらに南下しツェレンベルグ村、
大好きな『マルク テンペ』の元へ。

マルクさんは英語を喋らないそうで、フランス語を話せない僕としては困っていたのですが、事前に神戸から来る日本人でフランス語を話せる方が合流してくれるという事になっていたので、まずはコルマールへ行き合流。
神戸からのお二人は飲食店をやられているカップルでとっても気さくで通訳していただいたり色々と助けていただきました。

景色の良い街並み(ジブリ映画「ハウルの動く城」の舞台になっているそうです)を抜けていよいよ到着。
マルクテンペのワインはpipalのオープン当初からずーっとオンリストされているんですよ。
挨拶をして、早速セラーを見せていただく事に。


左奥に写っているのがマルクさん。とってもチャーミングでユーモアたっぷりのお方です。話しているとほっこりします。


アルザスの伝統的なフードル(大樽)です。アルザスは楕円形なんですね、スペースを効率良く使うためだとか。


それから部屋に戻ってテイスティングを、
なんと気前よくリースリング2006グランクリュ!
貴腐菌※1 のついた葡萄でつくられる濃密で甘いワインです、ん〜、贅沢。
マルクさん気前良すぎてどんどんテイスティングさせてくれて、最終的に


こんなに並んじゃいました!
太っ腹すぎて奥さんがちょっと冗談交じりに小言を挟んだりして。(笑)

マルクテンペの造るワインは常にパーフェクトな味わいです。
全くぶれない。品種の個性を最大限に引き出していて、リースリングはリースリングらしさを完全に表現した上でその畑のテロワールも感じさせる造りになっています。そのユルい感じのユーモアたっぷりな人柄とは裏腹に、いつ飲んでも、どのキュベでもどのヴィンテージでもパーフェクトな味わいです。
実はマルクさん、過去にI.N.A.O.※2 で働いていたエリートで、超実力派。朗らかな味わいながらも緻密さをも感じさせるその造りは、そういう実力の表れかなと思います。


最後にツーショット。奥の部屋には奥さん。
偉大なるマルクテンペ。お土産にリースリングのグランクリュまで頂いてしまいました。太っ腹すぎる!ありがとうございました。

 余談ですがこのTシャツはリヨンのリュミエール美術館で買ったお気に入り。ワインも映画も大好きです!(Tシャツ自慢)


※1 貴腐菌:ボトリティスシネリアというカビ菌の一種。葡萄の実に付着すると果皮に無数の穴を開けそこから水分が抜け出ます。葡萄の実は干し葡萄の様になり糖度が上がり凝縮したワインの元となります。貴腐菌のついた葡萄で造るワインを貴腐ワインと言います。
※2 I.N.A.O.:Institut National des Appellations d'Origine(国立原産地名称研究所)通称イナオ。フランスにおいてA.O.C.ワインとvdQSワインに必要な条件を取り決める公的な機関です。 どのワインがグランクリュ認定されるとかを決めたりする機関ですね。




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2017-09-28-Thu

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。vol.10

6日目。早朝からTGVで長距離移動、いざアルザス、ストラスブールへ。
ストラスブールから南下しノータルテンという村、
あの『ドメーヌ ジュリアン メイエー』の元へ。


のどかな村。建物がカワイイです。


待っていると猫がお出迎え。空気がゆったりと流れている。
少しして、Tシャツ短パンという出で立ちで当主パトリックメイエーさんが迎えてくれました。
まずは恒例の挨拶を。
そして、
「ちょうどさっきまで畑仕事をしていたよ、今日はとても暑いけど畑も見たい?」
「もちろんです、よろしくお願いします!」


早速畑へ。太陽の光をサンサンと浴びて健全そのものの葡萄たち。


フロレゾン※1 がちょうど終わりヌエゾン※2 の季節。小さな葡萄の実が付いています。


パトリックが土を掘り返して見せてくれました。土はふかふかで簡単に鍬が入ります。中はしっとりとしていて有機的ないい匂いがします。
「しっとりしてるでしょう、もう10日も雨は降っていないんだよ。そしてこの香り、土が生きている証だよ。」
ちょっと別の畑を見せようと言って、別の方の区画に少しお邪魔して見せてもらいました。雑草は全くありません。除草剤や農薬を使用しているせいです。
「見てて」
パトリックが鍬を入れてもなかなか入りません、土がガッチガチです。
力を入れて掘り返してみるとそれは岩のようで乾燥し、全く湿り気はありません。
匂いを嗅いでみるとなんの香りもありません無臭です。生物が生きている気配が全然ありません。
パトリックの畑とは全く違います、でも距離でいうとホンの数メートル先の畑です。どちらが健全であるかは一目瞭然で、もはや疑問が湧いてきます、
「ナチュラルな畑の方がどう見ても良いのに、なぜ人はケミカルな物を使うのでしょう?」
「わからない、使わなければならないと思い込んでいるんじゃないかな。」


近所の方が通りかかって何やら挨拶を交わすパトリックさん。何だか素敵な光景です。


畑から戻り、テイスティングルームに。お洒落なワインバーの様な部屋を持ってるんですね〜、近所の方が飲みに来るそうです。ん〜、贅沢。


外は日が照りつける真夏日ですが、ひんやりとしたカーブの様な雰囲気で、早速テイスティングをさせていただきます。


次々とジュリアンメイエーのワインが出される、そして幾つかのリースリングの飲み比べ。
驚いたのが、
パトリックさんは注いでくれたワインを指して
「これは一ヶ月前に抜栓したリースリングだ。どうぞ。」
なんて平気な顔でおっしゃる、
「え、一ヶ月?大丈夫なんですか?」
「飲んでみて。」
香りをとって口に含む、美味しい。確かに酸化を感じさせるマディラっぽい香りもあるし味わいにも酸化感はある、でもこれは美味しい。
それから新しいリースリングをその場で抜栓して注いでくれた。
「どうぞ。」
ジュリアンメイエーのリースリングだ。素晴らしい、さっきのワインはやはり変化はしている、でもそれは劣化ではない。どちらも美味しい。あれ?
「一般的には抜栓したワインは3~4日で飲みきるべきだと言われます。僕のレストランでは窒素ガス※3 を使用しているので物にもよりますが一週間程度は提供できますが、その程度です。一ヶ月前に抜栓したワインを楽しむというのはどうして可能なのでしょうか?」

「ナチュラルなワインは死なない。
確かに酸化防止剤を入れたワインは3~4日で劣化する、それは酸化防止剤を入れた時点でそのワインはもう死んでるからだ。その後は厚化粧をして見せかけを保っているだけだ。
この二つのリースリングを比べて欲しい、確かに変化はしている。でも、繊細でシャープな味わい、ミネラル感、真っ直ぐに長く続く余韻、その個性は同じだ。変化はしても死ぬことはない。葡萄が健全で力強ければそれでいい、余計なものはいらない。
人間だってそうだ、君も10年後はシワが増えたり太ったりと見た目は変化するだろう。でも君の魂は変わらない、同じ個性が生きている。その時々を楽しめばいい。ブランド物のスーツを着たり周りを取り繕う必要なんかない、人生もナチュラルでいい。健全な魂さえあれば。

それなのに人は色々なことをしなければならないという思いに駆られる。
葡萄の栽培には農薬を使わなければならない、除草剤を使わなければならない、醸造には酸化防止剤を使わなければならない、培養酵母を使わなければならない、と。
歳をとったら厚化粧をしなければならない、ブランドの腕時計を買わなければならない、高級な車に乗らなければならない、と。
本当はしなければいけない事なんか何にもない、本質を見据えれば実にシンプルだ。ワインも人生もナチュラルでいい。」

打ちのめされました。力強いその語り口調にパトリックさんの信念を感じます。

「すごい、素晴らしいです。本当にその通りだと思います。あなたの考え方、フィロソフィーは素晴らしいです。」
「ノー!」
突然とても強い口調で否定されて少し驚きました。何か気に触る事でも言ってしまったかな。
するとパトリックさん、


「Not philosophy. This is LIFE.」
ディスイズライフ! 超かっこいい、パトリックさん!
「あなたは、素晴らしい方です。」

とても素晴らしい話を聴けました。
彼のワインは素晴らしい、そしてまた彼の生き方も素晴らしい。


それから、なんと貴重な1999年のリースリングも飲ませていただきました。
このエチケットは初めて見た、僕がジュリアンメイエーのワインに出会う前のワインだ。
そして一緒に飲みながらテイスティングコメントを聴かせてくれました。
「私のリースリングには一貫した特徴がある。シャープな酸味、繊細で長く続く味わい。それはそうまるで日本刀の様な。」
「Like Japanese sword ! 」
なんとリースリングを日本刀に例えるなんて、
「繊細で、真っ直ぐに伸びるキレ。アタックからアフターまで繊細に真っ直ぐに。」
多分一生忘れません、
僕はジュリアンメイエーのリースリングを飲むたびにジャパニーズソードを連想し、またその話の時にパトリックさんが人指し指と中指を日本刀の様に振り下ろし、下ろすタイミングで「コッ」って舌を鳴らした音までを想起するでしょう。
ワインを飲むことがとても楽しい時間でした。


そのあとに、前年にルトンデスリーズやレヴィニョーといったラングドックやローヌの生産者達と一緒に仕込んだ貴重なワインも飲ませていただきました。
「去年は酷く不作な年だった。だからワインもほとんど造れずに時間が出来たんだ。おかげで友達と一緒にワインを造るという新しい事が出来た。BUT is GOODだよ。」
とニヤリと笑うパトリックさん。本当にワインを造る事が好きなんだろうなこの人は。
「でも販売出来るほどの量は造ってないからここでしか飲めないかな。」
「幸運です。BUT is GOOD ! 」


最後に奥様に撮影をお願いして記念撮影を。嬉しすぎて僕は笑顔が止められない様子です。
『ドメーヌ ジュリアン メイエー』
パトリックさん貴重なお時間を本当にありがとうございました。


※1フロレゾン:開花。花が咲く時期。
※2ヌエゾン:結実。葡萄の実がなる時期。
※3窒素ガス:抜栓してしまったワインが酸化してしまわないために使うガス。空気よりも重いのでボトルの中に入れるとワインの液面上にガスが溜まり酸素と触れ合わないようにしてくれます。
 

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2017-08-21-Mon

ソムリエ 鈴木亮介、生産者を訪ねて。 vol.9

さて、シャンパーニュ2軒目は自然派シャンパーニュの代名詞『ドラピエ』です。

自然派ワインの造り手達との食事は必ずドラピエから始まる。
世界三大テノールの一人「ルチアーノ・パヴァロッティ」は"喉に優しい"という理由で、歌う前にはドラピエのシャンパーニュを飲んでいたとか。(まじっすか?!)
自然と芸術を愛する人々から愛され、逸話も多いドラピエ。
僕も最近一番口にする機会が多いシャンパーニュはやっぱりドラピエです。

モングーからも近い位置、こちらもシャンパーニュの最南端ウルヴィル村。
たどり着くと一人の男性が出てきてくれて案内してくれた。


室内がゴージャスだ。おや、今まで訪ねてきたドメーヌとは少し違うな。
ドラピエは家族経営のドメーヌではあるが、今回の旅では一番の大手メゾンだ。
案内してくれた男性にいつものように自己紹介をしようとしたら、
「それは、後でミッシェル(現ドラピエ当主)が来るからその時に。こちらで座って待っていてください。」


この椅子に座って待つことに。椅子一つとっても格式高い。
男性が奥の部屋へ行ってしまった。
来る時にも見えたがどうやらこちらの建物は一部改修工事中らしく、遠くに工事の音が聞こえる。
暫く一人になってしまったので、周りを見渡す。


窓の外には庭が。


僕の椅子の前の壁には小物などがディスプレイされていた。
おや、このボトルは、、


で、でかい。メルキゼデック※1 かな?
先ほどの男性が戻ってきた。
「ミッシェルはミーティングがもう少しかかりそうだから先に醸造所を案内します。」
「ありがとうございます、是非。」


螺旋階段を下って地下の醸造所へ。


ここでは箱詰めかな、大勢働いている。


やはり、ちょっと今まで訪ねてきたドメーヌとは様相が違うな。


ステンレスタンク。


大きな樽がたくさんある。


なんていうかリッチだ。
こちらもグラヴィティシステムを採用していてどんどん地下へ。


ピュピトル※2 ですね、ここはクラシック。


瓶内二次発酵※3 用のリキュール。かなりの年代物みたいだ。


ここでは動瓶※4 が終わって瓶口に澱が溜まったボトルを、


マシンにセット。
右に写り込んでいるのが先ほどから案内してくれている男性です。


ボトルは運ばれていき、澱の溜まった瓶口の部分が急冷されます。


わかりますか、便口3cmくらいの部分の中身が凍っています。


で、こちらのマシンでデゴルジュマン※5。抜栓して凍った澱の部分を取り出す訳ですね。


で、こちらのマシンでドザージュ※6。
わかりますかね、左上の赤い液体がリキュールで右下中央にぶら下げられているボトルに注入されています。先ほどの行程で澱を抜いて内容量が減った分を補足するとともに、酸味の強いシャンパーニュに甘味を足して味のバランスを良くする訳です。
それからコルクを打栓する行程まで全て見せていただき、また先ほどの椅子に戻ります。


「テイスティングに参りましょう。」
先ほどからの男性が持ってきてくれたのが、いきなりのロゼ、ドザージュゼロ。
ずっと思っていたのですが、この男性のシャツが可愛い。


もちろん美味しい、完璧な味わいです。
「ミッシェルは新しいキュベのエチケットのミーティングをしています、もう少しかかりそうなので部屋に入ってテイスティングを続けましょう。」
え、ミーティング中なのに部屋に入るの?


ミーティング中の応接室の隅のテーブルに案内されました。
まじか、すごい光景です。格式高いゴージャスな部屋、デザイナー達とのミーティング、そして当主ミッシェルが何故か椅子に正座。


「こちらは、ドラピエ・シャルルドゴール。第18代大統領の名前の特別キュベです。」
「おぉ、。」


「こちらはミレジム、2008。」
「おぉ、。」


で、次々とテイスティングをしていきます。
ミーテイングが終わったミッシェルが呼んでくれてご挨拶。いつもの自己紹介をフランス語でさせていただき、デザイナーさんやミッシェルのお父さん(先代当主)ともご挨拶。


そして記念撮影を。
左が当主ミッシェル・ドラピエ氏。中央はその父7代目当主のアンドレ・ドラピエ氏。
とっても嬉しい一枚です。
ミッシェル氏がもっとゆっくり飲んで行ってと言ってくださる。
「でも今日中にトロワからストラスブールへの電車に乗らなきゃいけないんです。」
「じゃあ、テイスティングした中で気に入ったものをもう一杯だけでも。」
「ありがとうございます。それでは、シャルルドゴールを、、。」
お言葉に甘えてお代わりまで頂いて、帰ろうとすると。
「今日は来てくれてありがとう。こちらはお礼のプレゼントです。」
「ミレジム、2008!いいんですか!?」
「もちろんです。ありがとう。」
「ありがとうございます。今日はお会いできて光栄です。」

ビッグメゾンの貫禄を見た気がします。
ドラピエの皆様、ミッシェルさん、本当にありがとうございました。

ちなみにストラスブール行きの電車には乗り遅れ、予定変更。
ストラスブールのホテルをキャンセルし、トロアに一泊する事になりました。
調子に乗ってのんびりし過ぎた〜。



※1 メルキゼデック:シャンパーニュの瓶はサイズにより呼び方があります。メルキゼデックは30L入りで通常のワインの40本分の大きさ。ちなみに、普通のサイズがブテイユ750ml。次に大きい物がマグナム1500mlで2本分のサイズ。
※2 ピュピトル:瓶内二次発酵したシャンパーニュの澱をボトルの口の方に溜めるために使う穴の空いた板。これにボトルを挿して逆さまに近づけながら回して行き静かに澱を口の方に持って行く。
※3 瓶内二次発酵:シャンパンを造る行程は複雑で、一度普通のワインを作ります。その発酵を終えたワインにリキュール(糖分)と酵母を添加して王冠で蓋をします。そして瓶の中でもう一度発酵をさせるのです。その行程の事を瓶内二次発酵と呼びます。瓶の中で密閉されているので発生した二酸化炭素は逃げ場がなく、液体に溶け込みます。そして発泡性のシャンパーニュが出来上がるのです。
※4 動瓶:瓶をピュピトルに挿して倒立させ、瓶口に澱を溜めるために瓶を揺らしながら少しずつ回していく作業の事。
※5 デゴルジュマン:澱抜き。瓶口に溜まった澱を凍らせて抜栓し、取り出す。
※6 ドザージュ:デゴルジュマンによって目減りした分を補う際に糖分を添加する事。この時に使用するリキュールを「門出のリキュール(リクール・デクスペディション)」と呼びます。糖分添加しないシャンパーニュはドザージュゼロとなります。
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